『ぶらり途中下車の旅』『じゅん散歩』3密回避で“異常事態”に…散歩&旅番組が消滅危機

 新型コロナウイルスの脅威が続くなか、さまざまに形を変えつつあるバラエティ番組。しかし、なかにはスタイルを変えづらい番組もある。そのひとつが、外を出歩き、人と触れ合う散歩番組や旅番組だ。今、それらはいったいどんな状況になっているのだろうか。まずは、高田純次による平日朝の人気番組『じゅん散歩』(テレビ朝日系)だ。

「現在、高田は透明のフェイスガードをつけて散歩しています。一見、奇異に映る姿ですが、それも仕方ないでしょう。ただ、この番組は、はっきり言ってしまえば“適当発言”をかます高田のショーを見るという側面もありますから、人との触れ合いを避けて通ることもできます」(芸能ライター)

“途中下車”のシーンが編集で全カット

 旅人がマスクをしながら歩いているのが、28年続く『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)だ。同番組では、特に人との距離や消毒に関して、かなり気をつけているようだ。

「7月11日の放送では、元フジテレビアナウンサーの小島奈津子がガラス工芸品の店に立ち寄ったのですが、同じくマスクをした店主から『消毒だけしていただければ』と言われ、店先に入ったところで手指を消毒。入店後も、店主は一切カウンターから出ず、ソーシャルディスタンスを保ったまま接客していました。

 小島が店内に陳列されている品物を見るときも店主は近づかず、小島はひとりでリポートしていました。また、店主が数センチしかない小さいサンプルを取り出したときも、小島は一切近寄ることなく、遠目で眺めるばかり。通常なら手に取って感触を確かめるはずですが、そうしたリアクションは“封印”されてしまっていました」(同)

 また、小島が飲食店に立ち寄った際も、店主は奥のキッチンから出ることなく、数メートル離れて接客していたという。

「気になったのは、料理が完成した後です。店主が小島のいるテーブルまで持って来たはずなのですが、オンエアでは、客席に近づく様子は編集でカットされていました。さらに違和感を覚えたのが、これまでは必ずあったはずの『駅に向かい、電車に乗り、そして下車する』という一連の流れが、すべてカットされていたことです。代わりにあったのは、電車が走る景色に路線図が映し出されるという味気のないもの。電車に乗り、下車するというシーンは番組の根幹にかかわる大事な部分なのですが、『仕事とはいえ、3密が予想される電車に乗っているのはいかがなものか』という視聴者からのクレームを想定して、カットしているのでしょう」(同)

地方の“ぶらり”はバーチャルと中継で対応

 前述の2番組は関東近郊のロケが主だが、東京の感染者が増えているなか、地方ロケはさらに厳しいものになりつつあるようだ。

 たとえば、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)には、魅力あふれる地方の村に実際に行き、紹介する「おらが村PR隊!」というコーナーがある。これまではタレントが現地に出向いて体感していたのだが、現在、そのスタイルは取りやめになっており、代わりに「バーチャルぶらりシステム」が行われているという。

「7月10日にオンエアされた同コーナーでは、北海道のほぼ中央部に位置する人口8000人の町・東川町がPRされていました。リポーターを務めていた陣内智則とアインシュタインは、まずグリーンバックで足踏みだけをするシーンを撮影。そこに、実際に歩道を歩き、周りの景色が変わっていく様子を映した動画を合成し、あたかもその場を歩いているかのようにオンエアしていたのです。ただ、お店の方にインタビューするときは中継をつないで、実際に会話していました。これは、純粋な旅番組というより、バラエティ番組だからこそできる芸当といえるでしょう」(同)

有吉は散歩ロケに恐怖心?

 こうして形を変えながらも続いている散歩番組や旅番組だが、ロケ自体がいっこうに再開されない番組がある。それが『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)だ。

「この番組は有吉弘行と生野陽子アナ、さらにゲスト数組が都内近郊を散歩する番組ですが、4月4日の放送からは、有吉と生野アナがこれまでのVTRを見ながらトークを行う形式となっています。また、最近は『おさんぽアワード2020』と題して、IKKOやアンガールズ田中卓志など、これまでに登場したゲストタレントのなかから、有吉の独断でナンバー1を決める企画がスタートしています。

 同番組は、旅人がひとりの『ぶらり途中下車』や『じゅん散歩』と違って、大人数で散歩するスタイルです。有吉がひとりで散歩するという手もありますが、基本、彼の芸は“人いじり”で成り立っている。かといって、一般人をいじるのには慣れていませんから、結局ほかの芸能人を入れざるを得ないのでしょう。しばらくは、今のような企画が続きそうです」(同)

 また、有吉は、志村けんの死去によって新型コロナを怖がり、番組による“外出”を危険視しているという、まことしやかな噂もある。いずれにしても、こうした散歩番組や旅番組で、人の肌と肌が触れ合う光景は二度と見られなくなるのかもしれない。

(文=編集部)