パチンコ店員が震えた「超・緊急事態」とは…嵐の日に「空前絶後のトラブル」発生!?


「困ったときの店員頼み」。パチンコ店で遊戯中になんらかの理由で「呼び出しボタン」を押し、店員に対応してもらった経験は皆さんあるかと思います。

 お使いを頼みたい、遊技台のエラーを直してほしい、ドル箱を交換してほしいなど、様々な場面でホール店員が必要となりますが、「呼び出しボタン」を押してもなかなか対応してもらえずイライラしてしまうのはホールの「あるある」でしょう。

 特に、ドル箱が一杯になって下ろしてほしい時や、遊技台のトラブルなどの直ぐに対応してほしい場合は、「早く来いよ」と思う事もあるでしょう。

 私も、ホール店員時代にお客様を待たせてしまって「もっと早く来れないの?」なんてイライラした様子で言われてしまった事もございました。無論、お客様をお待たせしないように努めていましたが…。

 直ぐに対応できない「やむを得ない状況」もあるのです。

 一番多かった理由は「呼び出しボタン」を押しているお客様が複数いて、その対応に追われているケースです。この場合は基本的に呼び出された順番通りに対応します。

 ただ、すぐに対応が終わる用件ばかりなら問題ないのですが、遊技台の重大なトラブルが重なってしまうと相当な時間を要してしまうのです。その際は、大変申し訳ないですがお待ちいただかざるを得ない状況となってしまいます。

 そしてもう一つ、島の設備トラブルで玉やメダルが自動的に補給や回収ができなくなった場合です。トラブルが原因で大当り中に玉が払い出されない、サンドからメダルが貸し出されないなどの状況になってしまえば、困り果てたお客様で溢れかえってしまいます。

 必然的にお客様は「呼び出しボタン」を押してスタッフの対応を求めますが、設備トラブルを改善しない事には対応しようがないのでお待ちいただく事しかできません。

 例えば、パチンコ島の玉を循環させている「還元機」が故障してしまえば、パチンコとしての機能が完全に失われてしまいますし、復旧まで非常に時間が掛かります。スタッフ総出で修復や状況説明を行わなければならず、とても大変です。

 こちらの状況を汲んでくださるお客様は「大変だね。頑張って」などの温かいお言葉で励ましつつトラブル解消を待っていただけるのですが、中には待ちきれずにイライラして暴言を吐くお客様もいらっしゃいます。

 無論、設備トラブルはホール側の問題でお客様に何の罪はありませんし、イライラしてしまうのも分かります。だからこそ、ホールスタッフも必死に対応しているのですが、理想どおりの業務を行う事はけっして簡単ではないのです。

 このように、お客様が「呼び出しボタン」を押されても対応できない理由は様々でございますが、その中でも忘れる事のできないエピソードがございます。

 それは、遊技されている「ほぼすべてのお客様」から呼び出しボタンを押されるという「緊急事態」に遭遇した事です。

「そんな事あり得ない」なんて思うかもしれませんし、実際にそのような経験はこれまでありませんでした。ではなぜこのような異常事態が発生したのでしょうか…。

 それは「落雷」による停電です。

 パチンコ店において、数百台もの遊技台の機能が失われる「停電」は致命的です。だからこそ、多くのパチンコ店は「避雷針」などを完備して滅多に停電にならないように努めていると思います。

 私が勤めていたホールも「停電」とは無縁と思うほどしっかりした設備だったのですが、強烈な「ゲリラ雷雨」が直撃した際、一度だけ停電した過去がございました。

 遊技台の音やBGM、きらびやかな照明など、ホール特有の様々な音や光が一瞬にして消え去り、突如としてホールは暗黒の世界に覆われ異様な静けさとなったのです。驚きのあまり状況を飲み込むのに時間が掛かりました。

 インカムの電波も遮断され、完全に孤立した状況となった私の思考は完全に停止。「一体なにをすればいいのか」そんな事も考えられず、「これは夢だな」と現実逃避をするという…もはや「店員失格」の烙印を押されても仕方のない行動しかとれなかったのです。

 ただ数秒後には思考回路が復活。「拡声器でアナウンスしなくては」そう思い、保管場所へと全速力で走って向かったのですが…。

 その矢先に停電は改善され、ホールには遊技台の電源立ち上がりを知らせるけたたましい音が鳴り響いたのです。「助かった…。この窮地を何とか乗り越えた」と心から安堵したのですが…。

 最大の試練はココからでした。現金投入するサンドの通信だけは復旧していなかったため、ICカードの返却や貸し出しボタンを押せない状況で困ったお客様が一斉に「呼び出しボタン」を押すという「異常事態」が発生したのです。

 インカムで他のスタッフと意思疎通を図ろうにも「○○番台までお回りください」というCPUアナウンスが絶えず鳴り響いてしまうため、どうする事もできませんでした。これでは埒が開かないと判断した私は、館内マイクでサンド復旧をお待ちいただくようにアナウンスして事なきを得たのです。

 このような事態は非常に稀ですが、お客様に「呼び出しボタン」で呼ばれても直ぐには対応できない場合がある事をご理解していただいた上で、ご遊技していただければ幸いにございます。

(文=ミリオン銀次)