JRAオルフェーヴル「復活」に池添謙一号泣! 宝塚記念(G1)プレッシャーに打ち勝った「グランプリ男」はモズベッロで大仕事!?

 今週28日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)は、上半期最後のG1であり、ファン投票で選ばれた馬たちを中心に出走してくる。

 その中、ファン投票55位でまだ知名度が低いモズベッロ(牡4歳、栗東・森田直行厩舎)が出走。3勝クラスの身でありながら今年1月に日経新春杯(G2)を優勝し、次走の日経賞(G2)も2着で、今年急成長してきた4歳馬だ。

 初G1挑戦の天皇賞・春(G1)は7着だったが、今回は一旦リフレッシュ放牧に出され、さらにパワーアップが見込めそうだ。本格化したモズベッロに3走騎乗した池添謙一騎手が、今回も継続騎乗する。

 池添騎手といえば、有馬記念4勝、宝塚記念3勝で計グランプリ7勝を挙げ、武豊騎手と並びグランプリレース最多勝利騎手である。モズベッロにとって心強いジョッキーだ。

 この宝塚記念での池添騎手の活躍というと、2005年にスイープトウショウでグランプリ初優勝を飾り、のちに有馬記念も勝つドリームジャーニーで2009年に優勝。他には、2015年に人気薄のショウナンパンドラを3着に持ってきたり、2014年はカレンミロティックを2着に持ってくるなど、池添騎手が“グランプリ男”と言われる理由がわかる活躍ぶりだ。

 そんな数々のドラマを宝塚記念で見せてきた池添騎手だが、一番印象的だった宝塚記念は、2012年のオルフェーヴルの涙の勝利であろう。

 これまで数々のクラシックレース、古馬G1を勝ってきた池添騎手は、プレッシャーに強い騎手と言われているのだが、その中でもこのレースは「究極のプレッシャー」が掛かったレースと言える一戦だった。

 この年の春、オルフェーヴルはスランプに陥り、阪神大賞典(G2)では4コーナーで大暴走し、かなりの大外を回しての追い込みで届かず2着。天皇賞・春(G1)は折り合いを欠いて、全くいいところがなく11着惨敗に終わる。

「オルフェーヴルは昔から気性難で引っ掛かりやすいのですが、この時期は制御が効かず、春の2戦は凡走を繰り返しました。そのため次走の宝塚記念の結果次第では、凱旋門賞の再挑戦白紙という事態に陥りそうな大ピンチを迎えていたのです」(競馬記者)

 いよいよ後がない陣営は、宝塚記念に向けて懸命にオルフェーヴルを調整し、池添騎手は只々、オルフェーヴルの復活を信じて騎乗するしかなかった。

 スタートの時を迎えたオルフェーヴルは、出遅れることなくきれいに飛び出す。池添騎手は、まわりの馬を行かせて中団でレースを進めていくことを選択した。ネコパンチがガンガン逃げる展開で、ある程度レースが流れたので、オルフェーヴルを馬群の中に入れて、他の馬に囲まれながら折り合いをつけて進めた。

「ここ2走は大外枠だったことで、外目を進んでいったのですが、流れが遅く引っ掛かってしまい、折り合いがつきませんでした。今回は、6枠11番だったので、外目を進むこともなく、池添騎手は他の馬で壁を作り、オルフェーヴルの折り合いに専念していたようです」(同)

 4コーナーでスピードが上がると、直線は外目が比較的馬場が良いため、他馬は外側に流れて行き、インが空いた。そこを池添騎手は狙い澄ましていたかのように、オルフェーヴルの進路を内側に素早く取った。荒れ馬場は関係なく、末脚弾けて追い込んだ。優勝を確信したファンの大声援の中、オルフェーヴルは1着でゴールを駆け抜けていったのだった。

 初めて「ジョッキーを辞めたい」とまで思ったという池添騎手だったが、投票1位に選んでくれたファンに対して、オルフェーヴル復活を見せることができた。

 レース後に池江泰寿調教師が「(今日のオルフェーヴルは)いい時に比べると7分くらいの出来」だったと語っていた。池添騎手は、そんな状態であってもオルフェーヴルの底力を信じていたため、荒れた馬場の内側を選択することができたのだろう。

 勝利ジョッキーインタビューでは「ここまで本当にキツくて……勝てて本当に良かったと思います。沢山の方に競馬場に足を運んでもらって、この馬の力をやっと見せることが出来ました」と涙ながらに語った。

 今年の宝塚記念だが、池添騎手が乗るモズベッロは人気も低いと思われる。

 オルフェーヴルの時と比べれば、プレッシャー無く乗ることができるだろう。これまで人気薄でもG1を勝っている池添騎手だけに、ここは大胆な乗り方でグランプリ勝利数新記録を樹立してもらいたいものだ。