24日、大井競馬場で上半期のダート頂上決戦・帝王賞(G1)が開催される。昨年の1、2着馬のオメガパフューム、チュウワウィザードに加えて、一昨年と昨年の最優秀ダート馬であるルヴァンスレーヴ、クリソベリルが出走する現役のダート界トップホースが一堂に会するレースだ。
その中でも、2017年の帝王賞の勝ち馬・ケイティブレイブ(牡7歳、栗東・杉山晴紀厩舎)の存在を忘れてはならない。
これまでに重賞10勝(うちG1・3勝)を挙げる古豪は、波乱万丈の競走馬生活を送ってきた。
昨年のドバイ遠征では、疝痛を発症してドバイワールドC(G1)の出走を取り消し。その後、腸捻転を発症して現地で緊急手術を受けた。腸捻転は命にも支障をきたす恐れのある病気のため、素早い処置が功を奏して一命を取り留めたのだ。
その後、復帰戦となる11月の浦和記念(G2)を見事に勝利し、完全復活。と思われたが、次走の東京大賞典(G1)で8着、川崎記念(G1)で6着と惨敗を繰り返してしまった。
近走の敗戦のせいか、今年のフェブラリーS(G1)では16番人気の最低評価。メンバー中最上位の実績を持ちながら、この評価は屈辱だったに違いない。この人気からも「ケイティブレイブはもう終わった」と多くのファンが思っていたことが想像できる。
だが、ケイティブレイブはその下馬評を覆す2着に入るという大波乱を巻き起こした。
この時、コンビを組んだのはG1初騎乗となるデビュー9年目の長岡禎仁騎手。なんと、ケイティブレイブに調教で跨っていた若手ジョッキーに白羽の矢が立ったのだ。レースでは相棒の末脚を信じ、終いを活かす勝負に出たことが実を結んでの2着だったのだ。
「よく伸びてくれました。本当にいい伸びで、勝てるかと思ったほどでした」
惜しくも勝利を逃したが、大健闘の内容と言えるだろう。それと同時に「名コンビ」誕生の瞬間でもあった。
実はこのコンビ結成には杉山調教師の策が垣間見られる。
詳細については本サイトをご確認いただきたいのだが、『netkeiba.com』にて連載中のコラム『今週のFace』にてインタビューを受けた杉山調教師はフェブラリーSについて「とにかく、考え得る起爆剤を使って、ちょっと荒療治とも言えるんですけど、いろいろ工夫して臨んだレースでした」と語っている。その一環として、調教を担当助手から長岡騎手に替えたことを明かしているのだ。
フェブラリーSで起爆剤の効果てき面となったケイティブレイブは、次走のかしわ記念(G1)でも2着に入り完全復活を遂げた。その一方で、長岡騎手は「瀧本オーナーや杉山厩舎の皆様には、こういう舞台に立たせて頂いたことを感謝しています。勝って恩返しをしたかったのですが、勝てなかったことが残念です」と、あと一歩勝利に届かないことを悔しがった。コンビ3戦目となる帝王賞は、3度目の正直といきたいところだろう。
そんな長岡騎手にとって朗報となるのが、ケイティブレイブの大井適性である。
これまで大井での成績は【1,3,2,1】と抜群の相性を誇っている。フェブラリーSは過去に17年と18年に出走しているが、それぞれ6着、11着と敗れておりコース適性がなかったように思われる。だが、今年2着に入ったことは今まで以上のデキと判断できるはずだ。そんなケイティブレイブが得意の大井参戦となれば十分に期待できるだろう。
ケイティブレイブにとっては3年ぶりの優勝、そして長岡騎手にとっては初の重賞制覇がかかる帝王賞。ぜひとも名コンビでダート界を盛り上げる走りを見せてほしいものだ。