14日、阪神競馬場ではマーメイドS(G3)が行われ、酒井学騎手の7番人気サマーセント(牝4、栗東・斉藤崇史厩舎)が優勝。酒井騎手にとっても嬉しい今年初重賞勝利となった。
マーメイドSは荒れる重賞としても有名な牝馬限定のハンデ戦だ。今年もハンデ差は49キロの最軽量オスカールビーから55キロのセンテリュオまで6キロの差があり、難解なレースとなっていた。
サマーセントの勝利も2番目に軽い50キロという軽ハンデの恩恵がもたらした快走だったといえそうだ。
レースは藤田菜七子騎手のナルハヤが逃げ、1000m通過が60秒8のよどみない流れ。直線に入って逃げ粘るナルハヤを競り落とすと、内から伸びてきたセンテリュオが猛追を見せる。だが、「55キロ」のセンテリュオと「50キロ」のサマーセントとの5キロ差は大きく、3/4馬身差でライバルの追撃を凌ぎ切った。
騎乗した酒井騎手はレース後に「つかまってるだけというようなレースでした」と謙虚に振り返りつつも「期待に応えられて良かった」と最高の結果に胸を撫で下ろした。
そこで注目したいのは「毎年軽量の馬に声をかけてもらえていて」ともコメントしていたことである。
実は、酒井騎手はマーメイドSに初騎乗となったマイネトゥインクルから10年連続で騎乗していたのだ。14年のフーラブライドこそトップハンデの56キロだったが、それ以外は49キロから52キロの軽量馬に騎乗している。
これまで3着が2回あったが、10回目の挑戦にして待望の初勝利となった。
「軽ハンデの馬に乗るためには当然ながら体重の軽い騎手である必要があります。ですが、軽量で出走できることは馬にとっては歓迎でも、体重の関係で主戦騎手が乗れなくなるケースもあります。
今回のサマーセントにしても酒井騎手は初騎乗でしたが、軽ハンデでも乗れる騎手だったことで巡ってきたチャンスといってもいいでしょう。逃げ馬の2番手からロスなく抜け出したのも酒井騎手の好騎乗でしたね」(競馬記者)
マーメイドS出走馬で50キロ以下の馬に騎乗していたのは酒井騎手の他に高倉稜騎手、藤懸貴志騎手、川又賢治騎手、泉谷楓真の5人がいたがほぼ若手騎手だ。そんな中で経験豊富なベテランの酒井騎手は異質な存在である。
過去にも今年の愛知杯(G3)で11番人気レイホーロマンス(52キロ)を3着に激走させ、13年の愛知杯でも12番人気フーラブライド(50キロ)で優勝している。それ以外でも軽量馬で穴を開けることで定評があった。サマーセントの勝利は「軽ハンデの穴男」が導いた激走といえるかもしれない。
また、斉藤崇厩舎はサマーセント、リュヌルージュの2頭を送り込み1着、3着といずれも馬券内に好走する大健闘だった。酒井騎手に白羽の矢を立てた厩舎の戦略も見事な采配だった。
今後もハンデ重賞に酒井騎手の騎乗馬がいる際には、注目しておきたい騎手となりそうだ。