JRA松永幹夫調教師も驚くラッキーライラックの「リスグラシュー化」!? アーモンドアイとの最強女王対決へ、止まらない「進化」の軌跡

「馬体が大きくなって、さらに良くなった印象がありますね――」

 春競馬の締めくくりとなるグランプリ宝塚記念(G1)に向け、主役の1頭ラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)の2週前追い切りを終えた指揮官が、管理馬のさらなる「進化」に大きな手応えを感じている。

 まさに充実一途だ。昨秋のエリザベス女王杯(G1)で、約2年ぶりのG1・2勝目を飾ったラッキーライラックだが、今春は大阪杯(G1)で一線級の牡馬を撃破。「女帝」として、春のグランプリを迎える。

 デビューから3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を勝ち、2歳女王に輝いたラッキーライラック。しかし、輝かしい結果が待っているはずの3歳クラシックでは、同世代の怪物アーモンドアイの出現により、主役の座から引きずり降ろされた。

 そこから怒涛の7連敗……かつての輝きを失い「早熟説」まで囁かれたラッキーライラックだったが、昨秋のエリザベス女王杯で世間の評価を覆すと、現在は逆に「今がピーク」といった声すら聞かれるほどだ。

「4歳秋のエリザベス女王杯で復活勝利を上げて、そこから一気に充実期に入った成長曲線は昨年の『リスグラシューとよく似ている』という話を聞きます。

あの馬も3歳の頃からクラシック候補と言われていましたが、結局あと一歩及ばずに低迷。しかし、エリザベス女王杯で復活を遂げると、翌年には宝塚記念、コックスプレート、有馬記念とG1を3連勝して年度代表馬に上り詰めました。

ラッキーライラックのここに来ての充実ぶりは、どこか当時のリスグラシューと重なるところがあります」(競馬記者)

 実際に、ラッキーライラックとリスグラシューはともに初重賞が2歳のアルテミスS(G3)だ。

 その後、桜花賞(G1)で2着に敗れるなどクラシックには手が届かなかったが、4歳の秋から本格化。エリザベス女王杯を勝って、香港ヴァーズ(G1)で2着、翌年の国内最初のG1で牡馬を一蹴して戴冠と、使ったレースだけでなく、その結果まで共通している点が多々ある。

 また、2頭が共通するところは、これまでの経緯だけでなく、その「成長力」にもあるという。

「前走の大阪杯を先行から鮮やかに抜け出したラッキーライラックですが、松永調教師は『自然と好位が取れて、すごい馬になった』と驚いていました。

実は、昨年の宝塚記念でリスグラシューが見せた競馬も番手からの抜け出しだったんですが、矢作芳人調教師が『びっくりするくらい強かった。まさか2番手につけていくとは思っていなかった』と驚いていましたね。

トモがしっかりして序盤の加速力がついたことや、先行しても折り合える精神的な成長があったことも2頭に共通するところです」(別の記者)

 ラッキーライラックとリスグラシューが約3年半のキャリアで、如何に競走馬として成長したのかは数字が物語っている。

 432kgでデビューしたリスグラシューは、引退レースの有馬記念で36kg増えた468kg。480kgでデビューしたラッキーライラックも、前走の大阪杯では40kg増えた520kgと、まるで“別馬”になったような進化を遂げているのだ。

「リスグラシューは引退レースの有馬記念で、アーモンドアイとの現役最強の座を懸けた戦いに勝って年度代表馬に輝きました。ラッキーライラックも同世代のアーモンドアイと再戦するまでは負けてほしくないですね。今から宝塚記念が楽しみです」(同)

 リスグラシューは昨年の有馬記念でアーモンドアイと最初で最後の対決だったが、ラッキーライラックとアーモンドアイは世代の覇権を争った因縁の間柄だ。果たして今後、この最強牝馬2頭が再び相見えることはあるのだろうか。

 かつてのリベンジへ、ラッキーライラックの進化が止まらない。