JRA「クラシック未勝利」ノーザンファームが危機的状況……。打倒コントレイル、窮地を救うのはダービー激走のアノ馬か!?

 5月31日に行われた日本ダービー(G1)は無敗の皐月賞馬コントレイルが優勝し、2冠を達成した。1週前に行われたオークス(G1)ではデアリングタクトが桜花賞(G1)に続いて勝利を挙げ、無敗の2冠を達成したばかり。2週連続で無敗の2冠馬が誕生する史上初の出来事となった。

「遊びながらダービーを勝っているので相当優秀な馬だと思います」

 レース後に福永祐一騎手がコントレイルについてこう評したことは、他の陣営にとって絶望すら感じさせられるものではないだろうか。ダービーの舞台で3馬身差の圧勝を披露した馬がまだ底を見せてないというのには恐れ入ったところだ。

 その中でも、コントレイルの強さを目の当たりに、最も肩を落としたのは日本最大の生産者・ノーザンファームではないだろうか。

 2007年以降、12年連続で3歳G1の勝ち馬を輩出してきたノーザンファームだが、今年は未だに1勝も挙げられていない。クラシック5大競走においても、7年連続で勝ち馬輩出中だが、残すところ菊花賞(G1)のみとなってしまった。

 そんなノーザンファームの危機的状況の救世主として期待されるのが、日本ダービー(G1)で3着のヴェルトライゼンデ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)ではないだろうか。

 皐月賞では4番人気に支持されるも8着に敗れたことで、ダービーは10番人気の低評価。だが、コントレイル、サリオスに次ぐ3着に入る大健闘で能力の高さを証明することができた。

「サリオスは以前から短い距離の方が向いているということが言われています。それでも、能力だけでダービー2着に入るのはさすがですね。しかし、秋以降は短いところという話も出ており、菊花賞へ出走する可能性は極めて低そうです。

そのため、現時点でダービー3着のヴェルトライゼンデがノーザンファーム生産馬の中では、菊花賞最有力候補となります。陣営も菊花賞へ向かうことになると思うと話していますし、半兄のワールドプレミアは菊花賞馬ですからね。ノーザンファームの最後の頼みの綱ですね」(競馬記者)

 実はヴェルトライゼンデのダービー3着という結果は、菊花賞での巻き返しを期待するには十分な結果かもしれない。

 父ドリームジャーニーは現役時代にグランプリ春秋制覇など重賞を7勝しているが、その勝ち鞍はすべて右回り。実力馬だが左回りになった途端に成績が悪くなり、実際にダービーは5着で、東京コースは5戦全敗と左回りを苦手としていた。

 また半兄ワールドエースはダービーで1番人気に支持されるも4着に敗れており、こちらも左回りの成績は「0-1-0-5」と苦手にしていた。同じく半兄のワールドプレミアは左回りの出走経験がないため適性は未知数だが、他の兄姉が左回りを苦手としていることから血統的には不向きの可能性が高そうだ。

 そんな血統背景にあるヴェルトライゼンデがダービー3着に好走したのは、父や兄の記録を上回るものであり、右回りかつ半兄が勝利している菊花賞では十分に期待できるだろう。まさにノーザンファームの最後の砦となりそうだ。

 果たしてヴェルトライゼンデはコントレイルに待ったをかけて、ノーザンファームの5大競走制覇を8年連続に伸ばすことができるだろうか。夏の成長に期待したいところだ。