パチンコ界に燦然と輝く大スター『海物語』シリーズは、当然ながら甘デジ部門においても圧倒的な存在感を見せつけている。甘デジコーナーにおいて『海』シリーズが設置されていないホールなどほぼ存在せず、スタメンとして、あるいは癒やしとして、ある時は救いとして、密接に接続されているのである。
それ以外の機種は、時代の先端だったり、人気のマシンだったり、責任者の趣味やセンスだったりとバラエティに富んだラインナップとなっているのが常であろう。
つまり、甘デジ界隈においても『海物語』の優位性が確立されている状況である。しかし、その中でもこの巨星に勝るとも劣らない輝きを放つ人気と実力を兼ね備えたシリーズ機種があるのではないだろうか。『北斗の拳』シリーズである。
本家シリーズとしては2代目にあたる『ぱちんこCR北斗の拳強敵/伝承』の甘デジタイプ『CR北斗の拳STV』として登場したのを起源とし、6代続く老舗ブランドとなったのである。特に“慈母”で知られる「ユリア」をモチーフにしたシリーズ機は安定した人気を博し、「北斗の甘デジ」をファンやホールに強く印象づけた。
初代から脈々と受け継がれている100%突入する4回転(初代とユリア)もしくは5回転(慈母シリーズ)のST構成とラオウに出会えば大当りという演出スタイルで、わかりやすさと緊張感、時折みせる爆発力を武器に甘デジシーンを剛掌波したものである。
ただ、P機時代に突入するとその方向性に変化の兆しが見えた。現時点での本家シリーズ最新作『デジハネPA北斗の拳7天破』は突破型の爆裂RUSH仕様となっているのである。
本作に影響を与えたのが『ぱちんこCR真・北斗無双 夢幻闘乱』であることに疑いの余地はないであろう。メガヒットを飛ばし時代を象徴する一台となった『ぱちんこCR真・北斗無双 』の狂暴性を宿した圧倒的攻撃力を甘デジで再現した名機である。当然といえば当然といえよう。
ただ、遠くトップを激走する『海』シリーズを見据えるのであれば、多様性という観点から、本系『北斗の拳』シリーズは「慈母」を継承しつつ、『北斗無双』の側で連チャン性や出玉力を謳う甘デジシリーズを展開する戦略もあったのではないだろうか。
あるいは『ぱちんこ北斗の拳』シリーズの初期コンセプト、『伝承』と『強敵』や『ケンシロウ』と『ラオウ』のような対になる違ったスペックをパッケージとして売り出す形式である。
『慈母』と『突破型RUSH』、どちらも秀逸なスペック性能と機種の完成度となっているので、その効用は極めて大きくなるはずである。私自身、あらゆるシーンで、さまざまなケースで、2つのゲーム性を楽しみたい願望があるし、そうすることで新時代の覇者となれる可能性を充分に秘めている。
(文=大森町男)