31日、競馬の祭典・日本ダービー(G1)が開催される。残念ながら無観客での開催となってしまったが、3歳馬の頂点を決める楽しみなレースであることに変わりはない。今年の主役はやはり無敗の皐月賞馬コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だろう。
無傷の3連勝で制したホープフルS(G1)以来の実戦で皐月賞(G1)に挑んだコントレイル。行き脚がつかず“想定外”の後方からのレースとなったが、3角から外に持ち出し進出を開始。そのまま大外一気で、同じく無敗馬のサリオスを退けて優勝を飾った。
ロスなくインを立ち回ったサリオスに対して、予定通りではない後方の位置取りから大外を回したコントレイルが無敗馬対決を制した価値は大きいだろう。ディープインパクト以来の無敗の2冠がかかるコントレイルが日本ダービーで1番人気に推されることは、ほぼ確実といった状態だ。
そんなコントレイルについて福永祐一騎手は「馬について不安はない」と強気な姿勢だ。ダービージョッキーが自信をみなぎらせているのは、それだけコントレイルへ厚い信頼があるということだろう。
“馬に不安がない”と話している一方で、福永騎手に不安がないとは言い切れないのが正直なところかもしれない……。
2018年にワグネリアンでダービーを勝利した福永騎手。通算19回目の挑戦での悲願達成であった。前走の皐月賞でワグネリアンは1番人気に支持されるも7着に敗れたこともあり、ダービーでは人気を落とし5番人気での出走となった。だが、レースは好位外めの追走から、直線で抜け出しを図った福永騎手の好騎乗が光る勝利だった。
「ワグネリアンはダービーを勝つためのロスのない好騎乗でした。この勝利で福永騎手はダービーを勝てないというジンクスを打ち破りましたが、今回のコントレイルは状況が違います。圧倒的1番人気が予想されるため、かなり厳しくマークされるはずです。皐月賞は後方からの競馬でなんとか届きましたが、前残り傾向のある東京コースでは足元をすくわれるかもしれません。
過去に福永騎手が騎乗したダービーで1番人気に支持されたワールドエースは上がり最速の末脚を繰り出すも、大外を回したことが災いして4着に敗れています。また、皐月賞を先行して2着だったリアルスティールで、ダービーは後方からのレースを選択し届かないということもありました。同じようなことにならなければいいのですが……」(競馬記者)
またダービーで上位人気に支持されたときの福永騎手の成績が奮っていない事実がある。
1998年 キングヘイロー 14着(2番人気)
2009年 セイウンワンダー 13着( 3番人気)
2012年 ワールドエース 4着(1番人気)
2013年 エピファネイア 2着(3番人気)
2014年 レッドリヴェール 12着(4番人気)
2015年 リアルスティール 4着(2番人気)
福永騎手が4番人気以内の馬に騎乗した際、エピファネイア以外すべてが人気を下回る着順という成績なのだ。これがダービーを勝てないと言われる所以である。
だが、ダービージョッキーとなってから初めての1番人気で挑むことになりそうな今年の日本ダービー。福永騎手はプレッシャーを跳ねのけて、コントレイルを無敗の2冠馬に導くことができるだろうか。
円熟味を増した福永騎手の手綱捌きに注目したい。