今週17日に東京で行われるヴィクトリアマイル(G1)は、ドバイ中止でここに出走を決めたアーモンドアイ、ラヴズオンリーユー、昨年の覇者・ノームコアなど、G1優勝馬4頭+重賞優勝馬5頭が揃うハイレベルな牝馬の戦いになりそうである。
そこへ、3歳冬より本格化してきたシャドウディーヴァ(牝4歳、美浦・斎藤誠厩舎)が、一気に大輪の花を咲かせようと出走してくる。
斎藤厩舎といえば、桜花賞馬・ハープスターと激闘を繰り広げたオークス馬・ヌーヴォレコルトの管理厩舎で有名だ。ヌーヴォレコルトは、シャドウディーヴァと同じ父(ハーツクライ)の産駒であった。
「ヌーヴォレコルトは桜花賞(G1)3着、オークス(G1)1着、秋華賞(G1)2着と3歳牝馬G1を駆け抜けて、その勢いのままエリザベス女王杯(G1)にも出走し2着に来ました。
一方、シャドウディーヴァは桜花賞未出走。フローラS(G2)は2着でオークスの優先出走権を獲得しましたが、本番は6着。秋華賞は成長力を見せて4着でしたが、続けて挑んだエリザベス女王杯は15着惨敗でした。同じハーツクライ産駒でも、3歳の戦績は対照的ですね」(競馬記者)
もともとハーツクライ産駒は、晩成型と言われている。分かりやすい例としては、4歳から本格化し5歳秋に初めてG1を勝ったシュヴァルグラン、4歳秋に初G1馬となったリスグラシュー、ジャスタウェイ、6歳秋に初めてG1(豪州)を勝ったアドマイヤラクティなど、枚挙に暇がない。
ヌーヴォレコルトは、珍しく3歳から結果を出してきた“イレギュラーパターン”であり、むしろ、シャドウディーヴァのほうがハーツクライ産駒らしい成長過程を歩んでいると言えるだろう。
「シャドウディーヴァは、3歳冬に3勝クラスを勝ってから実が入り、4歳となった今年、東京新聞杯(G3)で2着に入りました」(同)
しかし、前走の阪神牝馬Sでは12着と大敗してしまう。ラスト100mの脚が良かったので、もったいないレースであった。だが、敗因が分かっているためか、それほど陣営には深刻さはない。
「レースでは手応えが良かったのですが、直線で右にもたれるクセが出てしまい、終わってしまいました。あの馬は、昔から右回りだと内に刺さるクセがあり、なかなか直らないようです。
逆に、左回りの成績は優秀なので、次の東京は不安材料が消える分、陣営の期待が大きく膨らんでいるのだと思います。
ある意味、前走は内に刺さって負けても“想定内”で、むしろそれで人気が落ちてくれれば、陣営もジョッキーも余計なプレッシャーがかからずに済みますからね。レース当日はハミを替えて、万全の準備をするそうですよ」(同)
シャドウディーヴァの右回りの成績は【1.0.0.5】、左回りの成績は【1.4.1.1】と、完全なサウスポー。今回は左回りの東京はベストの条件だ。
一部ではマイルが合わないのではないかという不安の声もあるが、斎藤調教師は「腰に力がつき、トモのハマリが良くなった今ならマイルは合うし、スタートも出るはず」と意に介さない。
「斎藤厩舎は、先週、メトロポリタンSで6番人気のウラヌスチャームが1着に来るなど、土日合わせて5頭を出走させ1着1頭・3着3頭の成績です。残りの1頭も11番人気5着に善戦しており、いま厩舎に勢いが出てきていますね」(同)
シャドウディーヴァの中間は順調で、すでに先週で馬体は出来上がっており、今週はサラッと最終追い切りを行なうようだ。鞍上は前回に引き続き池添謙一騎手で、勝てば牝馬G1レース完全制覇となり、気合が入っている。
遅れてきたシャドウディーヴァのG1初制覇に向けて、あらゆる歯車がすべて噛み合ってきた。あとは、ゲートの扉が開くまで待つのみだ。