またしても無敗馬のG1馬が誕生するのだろうか。
今年の桜花賞(G1)はデアリングタクトが無傷の3連勝で制し、皐月賞(G1)は無敗のコントレイルとサリオスによる壮絶な追い比べが繰り広げられ、軍配はコントレイルに上がった。ここまでクラシック2戦が行われ、無敗馬の優勝という結果が続いている。
この流れを考えると、10日に東京競馬場で行われる3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(G1)でも、無敗馬に注目する必要がありそうだ。同レースには2頭の無敗馬がエントリーしているが、サトノインプレッサ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)に注目したい。
デビューから3連勝で毎日杯(G3)を制したサトノインプレッサ。すべてのレースで最速の上がりタイムを記録しており、特にここ2戦は後方から直線だけで差し切るという強い勝ち方をしている。
また、これまでの3戦でサトノインプレッサは重馬場と稍重しか経験していない。今週末の天気予想を見る限り、当日は良馬場での開催となりそうだが、初の良馬場も問題ないだろう。矢作調教師が「良馬場で見てみたい」と断言している通り、ディープインパクト産駒のため、軽い馬場への適応に不安はあまりない。むしろ重馬場で高いパフォーマンスを発揮しているだけに、良馬場ではどれだけ強いのかと期待させられるほどだ。
さらにローテーションもNHKマイル制覇には最適と言えるだろう。毎日杯を勝利して、NHKマイルに挑んだ馬は、過去に6頭いる。なんとそのうち5頭が優勝しており、勝率にして83%とかなり期待ができる数値なのだ。
実際にタイキフォーチュン、クロフネ、キングカメハメハ、ディープスカイ、ダノンシャンティと偉大な名馬がこのローテーションで戴冠しており、サトノインプレッサも今その階段を上ろうとしている。
ただ、G1制覇もすぐそこまで迫っているように思われるサトノインプレッサだが、不安要素がないわけではない。
これまで京都、阪神でしか出走していないため、今回が初めての東京競馬場となる。そのため、「輸送」と「左回り」という点が不安視されているのだ。さらには未経験の「良馬場」と「多頭数」も挙げられるだろう。これについて武豊騎手も「初めてのことが多くて、一番のテーマになってくる」と課題としている。
だが、それ以上に不安なのが「気性面」だ。
ここ2走ともスタートで出遅れており、ゲートが問題に挙げられている。これまでは能力の高さで出遅れをカバーして勝利を収めてきた。だが、今回は相手強化のマイルG1。出遅れが致命傷となるかもしれない。
「東京の高速馬場で行われるマイル戦はスタートが重要になります。たしかにサトノインプレッサの末脚は目を見張るものがあります。しかし、スタートで出遅れてしまい、前が止まらなければ勝ちきることは難しいかもしれません。昨年の安田記念(G1)はスタートで不利を受けたアーモンドアイが3着に敗れたぐらいですからね」(競馬記者)
共同会見で武豊騎手は「まずゲートは出てほしいですね」と話している。また自身の公式ホームページの日記でも「ディープインパクト産駒らしいいい走りをする馬ですが、『気性の難しさ』も残っています」と能力の高さを認めながらも、気性面を問題視しているのだ。今回、最大の敵は他馬よりも「ゲート」なのかもしれない。
果たしてサトノインプレッサは無傷の4連勝を飾ることはできるだろうか。そして、同厩コントレイルが待ち受ける日本ダービー(G1)で、無敗馬対決の実現することも期待される。
夢の対決実現には、先週の天皇賞・春(G1)で“くせ者”キセキのスタートを決めた名手の腕が鍵となりそうだ。