3日、京都競馬場で行われた天皇賞・春(G1)は1番人気フィエールマンの連覇で幕を閉じた。この勝利で平成最後、令和最初の同レース王者となった。連覇達成は史上5頭目の快挙である。また鞍上のC.ルメール騎手は史上初の天皇賞4連覇達成と、記録づくめのレースとなった。
その一方、前哨戦・阪神大賞典(G2)の勝ち馬ユーキャンスマイル(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)は2番人気に支持されながらも、4着に敗れてしまった。
ユーキャンスマイルの主戦は岩田康誠騎手だったが、1週前に落馬負傷で戦線離脱。そこで急遽、浜中俊騎手へ乗り替わりとなり、初コンビで春の盾に挑むことになった。
レースは前に馬を置いて、終始ロスなく中団のインを追走したユーキャンスマイル。4コーナーを回って直線を向いたところで、大きく内に進路を取り一時は先頭に立ったが、外から伸びてきたフィエールマンらに差し切られてしまった。
今回の直線でのイン突きに、本来騎乗するはずだった岩田康騎手を彷彿とさせられたファンも多いのではないだろうか。一瞬、“代打”浜中騎手にまるで岩田康騎手が憑依したかのような勝利というドラマチックな結果がよぎったが、現実はそう甘くなかったようだ。
レース後、浜中騎手のインコース選択が勝敗を分けることになってしまったという論調があった。しかし、同日の京都5Rは同じく外回りコースで行われ、内に進路を取った10番人気ルガーサントが大金星を挙げている。それを考えると、決してイン突きという判断が悪かったとは言い切れないだろう。
「ユーキャンスマイルは右にもたれる癖があり、今回はそれが大きく影響してしまいました。直線を向いたときに浜中騎手は右ムチを入れているにもかかわらず、大きく右によれていっています。その後、他馬とは離れたインコースを走ることになったときに、浜中騎手は腹をくくって左ムチに替えました。あの状況でのベストな判断だったのではないでしょうか」(競馬記者)
また昨年の天皇賞・春と比較すると、ユーキャンスマイルのレース内容は全く異なる。昨年は後方からレースを進め、坂の下りから外を回して徐々に進出。それに対し、今年は中団から終始インのレースだった。結果的には昨年の5着から1つ着順が上がり、フィエールマンとのタイム差も1.5秒から0.4秒まで縮めているのだ。
馬の成長分もあるため一概に騎乗内容がいい方向に働いたとは言い切れないが、浜中騎手の騎乗は勝ちに行ったということは間違いないだろう。
またしてもG1の壁に跳ね返され善戦マンに終わったユーキャンスマイルだが、今回は「血統」の壁が大きく立ちはだかったのかもしれない。
キングカメハメハ産駒の3000m超のレースでの勝率はわずか4.6%、複勝率も16.9%と芳しくない。その一方、フィエールマンの父ディープインパクトは勝率7.7%、複勝率34.1%と倍近い数字を誇っている。また2着馬スティッフェリオの父ステイゴールドも勝率14.3%、複勝率26.0%とキングカメハメハを大きく上回っているのだ。
「やはり最後はバテてしまったのではないでしょうか。ユーキャンスマイルは長距離重賞を2勝しているとはいえ、相手強化のG1では厳しかったですね。それでも昨年より結果は良くなっているため、馬の成長は間違いないです。
もしかしたら、今のユーキャンスマイルの距離適性は中距離の方が高いのかもしれません。昨年の天皇賞・秋(G1)は4着でしたが、メンバー最速の上がりでワグネリアン、サートゥルナーリアといったG1馬に先着しているぐらいですから」(別の記者)
惜しくも天皇賞・春では人気に応えられなかったが、距離短縮になるであろう次走でユーキャンスマイルは買いの1頭だろう。悲願のG1制覇を達成できる日を楽しみにしたい。