古い話が続いたので最近のドラム機について言及したい。今回取り上げる機種はここ5年くらいで最も私に影響を与えた重要なマシンである。
『CRドラムロイド』。「アンドロイド」を引っ掛けた機種名からわかるようにロボットをモチーフとした台で、ドラムの上にその頭部をかたどったギミックが搭載されている。
本機が秀逸なのはその設定で、このロボットはパチンコ玉を生産しているブリキ機械が悪戦苦闘しながら本来の役目となる「パチンコ玉の生産」を大当りを介してプレイヤーに提供するメタ構造となっているのである。
また、このロボットの名前こそが「ドラムロイド」なのであるが、彼には細かなキャラ設定が用意されていて、ドラムにしてはバラエティに富んだ多彩な演出は、そのディティールとリンクしている。そのルックスからは一見わからない芸の細かさがあるのだ。
この台の何がすごいかって、そのように細部にこだわり構築した演出が、リーチにすら発展しなかったり、アツそうな演出をことごとく外したりと、ほとんど意味がわからなかったりするところなのである。
このロボット及び工場の原理や法則、メソッドなりアルゴリズムなりがまったくわからないし、ロボットSFの定番であるロボット工学三原則もガン無視していると思われる。なぜなら私の貴重な財産を強奪するという危害を及ぼしているからだ。
私は初打ち以来、このマシンを事あるごとに打ってきたし、歴代のドラムマシンの中でも十指に入るほど好きな機種なのであるが、大当り確率以内で当ったことがないのはもちろん、3倍ハマリ以内で当ったら「今日は早く当ったな」ってなもんである。
はっきりいってまったく勝てないし、出玉を交換した記憶もない。それでも私は『CRドラムロイド』が大好きで、愛しているといっても差し支えない。
若い諸君には信じられないかもしれないが、パチンコ・パチスロ歴も不当に長くなると、「負けても楽しい」「コテンパンにやられたほうが却って面白い」のようなこじらせ現象が起こるのである。
まあ、もともとが場末の工場が舞台となっている貧乏物語である。いや、しらんけど。世に華々しく訴えかけるような勝ち組仕様ではなく、奇を衒う変則スペックなので難しい勝負を強いられるのではある。
ただ、そのスペックも町男のような好事家には刺さるものがあり、大当り確率が1/128.75のミニライトミドルタイプながら1/3が2400発とボリューム感のある大当りとなっている。
また、もう1/3の振り分けが約1500発当りなので、一発あたりの出玉感は相当なものなのだ。
その分、連チャン性能は低い。100%STに突入するタイプながら、高確率の大当りが1/128.5と通常時とほぼ変わらない時短機的なものとなっていて、最大電サポ100回転の引き戻し率は約54%。
連チャンで出玉を積み上げるゲーム性ではなく、初当りを繰り返すことで持ち玉を徐々に増やしていくタイプの機種となる。
したがって、ちょっと不ヅキがあったり、調整が悪かったりすれば、たちまち生産停止に追い込まれ首が飛ぶのだが、そんなスペックも愛おしく感じめげず打ち続けたのである。
(文=大森町男)