P機における羽根物としては第二弾となる『PAハネモノ怪盗おそ松さん』。P機ということで「設定」が付いているものの、『羽根モノスカイレーサー』同様、おまけ程度の意味合いとなっている。
しかも設定差のある直撃大当りを引き当てても最高ラウンドとなる10Rが約束されるわけでも時短が付くわけでもないので、まさに「おまけ」。ゲーム性を含め、直撃大当りに関しては気にする必要はほとんどない。
こう書くとなんか否定的な印象を与えかねないが、裏を返せば、本機は「純粋な羽根物」として機能していることを意味しているのである。つまり、時短もない、連チャン機能もない、役物による物理的な大当りを重ね出玉を増やしていくタイプのものなのである。
では、基本的なゲームの流れを説明していこう。
まずは役物の下にある始動口、いわゆるスタートチャッカーを狙って玉を打ち出す。ここは1チャッカー・2チャッカーを搭載した一般的な羽根物と異なり、すべてこの「ヘソ」で処理される。
「ヘソ」に玉が入ると役物上部にある7セグが始動。停止した数字の数だけ羽根が開放する仕掛けとなっている。停止する数字は「1」「2」「3」が基本となるが、ほぼ9割が「1」となる振り分けになっている。ちなみに、「6」が表示されると直撃大当りの大チャンスとなる。
次に、羽根から入賞した玉は三段構造の役物で大当りを目指すこととなる。ただ、三段構造とはいっても上段から中段へは必ず移行するので、実質的な障害は2段階となっている。
では、上段の役割とは何かといえば、搭載されたクルーンの穴から中段に運ばれると約1/2で最終段階となる下段まで到達する、いわゆる「スペシャルルート」として機能しているのである。
中段には回転盤が搭載されており、2つある下段ルートに直通する当りポケットへの入賞を狙うのだが、クルーンの穴を通らずに手前から中段に移行すると2/12の確率となるが、回転盤の中央が十字型にくり抜かれているので、上段クルーンから真上に落下してくると、下段到達のチャンスが2/4の確率までアップするのである。
そして、大当りの成否を分ける下段役物。『天下一閃』である。これ以上の説明はない。ただ、玉が下段ステージに到達してから一定の時間に天下一閃役物のハズレ穴を塞ぐシャッター役物が発動するのである。
はい。Daiichiの役物機を熱心に追いかけているファンならお気づきであろう。本機は『CR NOLSOL』なのである。『NOLSOL』から時短機能をなくし、代わりにラウンド振り分けを付けた羽根物改変マシンとなっている。
こうやって書くとまた揶揄しているような印象を与えかねないが、個人的には大正解だと思っている。
至宝『天下一閃役物』の面白さを損なうことなく新たなゲーム性を組み込んだ役物機構として『CR NOLSOL』を評価していたのであるが、いかんせんまとまった出玉を得られる機会となる「GOD GRACE GAME」が遠すぎた。それゆえに、『天下一閃役物』が単なる“装置”に成り下がり、爽快感やカタルシスが霧散してしまったのである。
しかし、こうして羽根物として「大当り」にリフォーカスすることでその価値を維持したまま、よりフランクに『天下一閃役物』を楽しめるといった矛盾する課題を巧みなバランスで調整できたのである。
さらに、本機には、最初に『天下一閃役物』を打った時のような感動にも似た「驚きの快感」を体験できる秘密兵器が搭載されている。私はそれを「大崩壊」と名付けたのだが、3回開放当選時にわずかな確率で羽根が超ロング開放し、玉が役物内になだれ込み、各ステージに玉が溢れかえる現象を発生させるプレミアム演出が用意されているのである。
役物ファンのある種の「夢」がリアルに実体験できるのである。これを味わうためだけでも本機を打つ価値がある。
(文=大森町男)