ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、なんと2回ループのスペックで電撃復活を果たした伝説の名機、『PA元祖大工の源さん』(以下、P源さん)だ。
2回ループでの源さん復活で色めき立つオールドファンも多いはず。甘デジタイプなので、出玉面では遠く及ばないが、前述のファン層であれば2回ループのゲーム性だけで満足できるだろう。「源さんずっと打っていた」「懐かしい初代演出を堪能できた」といった満足感の高い報告が見受けられた。
出玉面での過度な期待はできないとはいえ、それはあくまで初代との比較。甘デジとして捉えるなら、メリハリの効いた出玉推移は初代を愛したファンにも受け入れられそうである。
「単発に偏るとキツい」「時短引き戻し3回でも確変取れない」といったマイナス要素と、「大当り50回以上」「13連達成」などのエッジのある出方をする極端な声が相次いでいる。普通の甘デジを打つなら刺激のある分、こっちのほうが良いと感じるファンも多くなりそうである。
その一方で、主に演出面に関しての厳しい意見も聞かれる。「確変中のくせに長い疑似変動が外れるからイライラする」「初代モード以外は演出バランスがものすごく悪い」など実戦の際に初代モードを推奨する声が多かった。
これは私も同感で、安定した演出作りを評価し、そっち方面ではほとんどないと認識していた三洋がまさか高尾テイストも感じられるデジタルアクションを採用してくるとは驚きであった。
特に「2回ループの源さん」に惹かれて興味を持ったファンには初代モード以外の選択肢はありえないと思えるほどである。
確変中に確変図柄(3・7・弁当・ハッピ・源)でテンパイした時の高揚感はすさまじく、甘デジといえども熱く込み上げるものを抑えられない私がいた。おまけに炎スベリなんかを伴えば悶絶モノである。
ちなみに、一部で言われていた通常時の右打ち攻略や右打ち時電サポ中の特図2狙いについて。結論からいえば「効果なし」である。
本機の仕組みについて少々解説する。
先に登場した2回ループ機『Pツインループ花満開』は1種2種混合機の特性を利用したものであったが、この『P源さん』は通常のデジパチでV確変を用いて2回ループを再現している。
その仕組みは、ヘソ当りの33%で電サポなし確変となり右打ちする。一般的な特図2は電チューでの抽選をイメージするが、本機のそれは盤面右下にある「始」と記されたポケットで代用しているのだが、この特図2の抽選が100%確変で33%が電サポなし、残りの67%が電サポありとなっている。
ここでもうひと工夫。この電サポは電チューではあるが、実態はヘソでの抽選と同じもので、33%が電サポなし確変、67%が時短25回の通常大当りとなる。つまり、特図2は100%確変に突入するが、電サポ=ヘソでの抽選に移行することで通常大当りを引く可能性を出現させている。この仕組みによって2回ループを成立させているのである。
1回でも特図2に入れば必ず確変大当りを引けるので、「むき出しになっている特図2の始動口を狙えばウハウハじゃねえか」と考えるのであるが、メーカーは万全な対策をしているようで、どうやら通常時の特図2や電サポでの特図1を抽選している最中での特図2抽選は無効になるようだ。執拗に特図2を狙っても意味がないので気をつけよう。
攻略騒ぎも出るなど注目度は抜群の『PA元祖大工の源さん』。これからのスタンダードスペックの1つとして定着するか、注目である。
(文=大森町男)