史上2例目の“ウルトラC”で役者が揃ったか。
3日、年末のグランプリ有馬記念(G1)で引退を迎えるリスグラシュー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)の鞍上が「特例」でD.レーン騎手に決まった。
「ファンが一番望んでいる騎手は誰かと考えた時、レーンとともにリスグラシューを見たいのではないだろうかと思い、JRAに特例での免許の申請をした結果、承認されました」
厩舎を支えた“女王”の最後の花道を飾るべく、矢作芳人調教師が動いた。この春、短期免許で初来日したレーン騎手は、すでに免許期間を使い果たしているが、JRAの定める「本会G1競走で2勝以上」をクリアしたことで、有馬記念当日のみ1日限定の免許交付が認められた格好だ。
「超豪華メンバーといわれている有馬記念で、続々と騎手が決まる中、1番人気が濃厚なリスグラシューの鞍上が空白のままで心配していたファンも多いと思います。矢作調教師が話している通り、リスグラシューとともに宝塚記念(G1)と豪コックスプレート(G1)を制したのはレーン騎手。これで役者が揃った感がありますね」(競馬記者)
過去には、ネオユニヴァースが皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)のクラシック二冠を達成。秋の菊花賞(G1)を迎えるにあたって、すでに短期免許期間を終えていたM.デムーロ騎手の騎乗が特例で認められた例がある。その2003年から、約16年ぶりの“ウルトラC”というわけだ。
世界に名を轟かす「最強コンビ」が決まったことで年末の有馬記念では、リスグラシューが“主役”を務めることが濃厚だ。
そうなると、すでにヴィクトリアマイル、宝塚記念と日本のG1タイトルを獲得しているレーン騎手だが、「春の大きな借り」を返しておきたいところだろう。
「レーン騎手によるG1・1番人気というと、やはりサートゥルナーリアに騎乗した今年の日本ダービーを記憶している人も多いのではないでしょうか。
当時、来日してすぐにヴィクトリアマイルを勝つなど『豪州の若き天才』と日本の競馬メディアからももてはやされたレーン騎手ですが、主戦のC.ルメール騎手が騎乗停止になったことで、日本ダービーで1番人気馬に騎乗という大役が巡ってきました。
しかし、結果はスタートで後手を踏んでしまい4着……。単勝1.6倍という圧倒的な人気でしたし、レース後には『ルメール騎手が乗っていれば』とレーン騎手を批判する声も多数。レーン騎手からすれば、今回の有馬記念はある意味、名誉挽回のレースになるかもしれませんね」(別の記者)
単純にレースの売上や注目度を見ても、日本で最も人気があるレースが有馬記念であり、その次が日本ダービーだ。また、サートゥルナーリアとリスグラシューは、同じノーザンファーム生産のキャロットファーム所属馬。周囲の期待度や注目度からも、レーン騎手の“リベンジ”に期待したい。