6月9日(日)に阪神競馬場で、牝馬限定のハンデ重賞であるマーメイドS(G3)が開催される。2006年以降ハンデ戦となったが、過去13回中実に9回で3連単の配当が10万円を超えており、波乱の起こりやすいレースとして知られている。その1戦に出走予定の注目馬を紹介しよう。
前走の福島牝馬S(G3)で2着に入り、惜しくも重賞ウィナーの仲間入りを果たせなかったフローレスマジック(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)の走りに注目したい。
昨年、C.ルメール騎手とともに自己条件戦を勝ち上がったフローレスマジック。勢いそのまま、ターコイズS(G3)で古馬重賞に初挑戦したが、人気を裏切って11着と惨敗を喫した。
今年に入ってからは、ルメール騎手から石橋脩騎手に乗り替わり。新コンビ初戦となった中山牝馬S(G3)で早めに上がって5着と掲示板を確保すると、前走の福島牝馬Sでは2着と好走。クセ馬デンコウアンジュの激走の前に敗れたものの、徐々に存在感を示しつつある。
関東の厩舎に所属していることもあり、今回が阪神競馬場、初挑戦。初めて足を踏み入れる舞台で、力を発揮できるのだろうか?
迷走が続くランドネ(牝4歳、栗東・角居勝彦厩舎)は、ここからの巻き返しが期待されている。
昨秋の紫苑S(G3)では逃げて3着に入り、秋華賞(G1)への出走権をゲット。本番でも積極的に前に出て6着と健闘した。その後、自己条件戦の修学院S(1600万下)でも逃げて古馬を相手に勝利。明け4歳初戦となった愛知杯(G3)では、果敢にハナを奪うと3着と馬券圏内に好走。世代牝馬屈指の逃げ馬として、その名を轟かせていた。
ところが中山牝馬(G3)ではカワキタエンカがハナを主張したため、インの2番手で競馬を展開するも包まれてしまい、13着の大敗。前走の福島牝馬S(G3)でも得意の形に持ち込むことができず、スローペースに巻き込まれ、最後の直線で挟まれる不利も受け6着に終わった。
近走は自身の得意とするスタイルでの競馬ができないでいるランドネは、今回M.デムーロ騎手と初めてコンビを組んで挑戦。デムーロ騎手は迷える素質馬を上位に導けるか。
センテリュオ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)は、ここが古馬重賞初挑戦となる。
昨年、牝馬クラシック出走が叶わなかったセンテリュオ。今年初戦の4歳上1000万下で勝利すると、尼崎S(1600万下)に挑戦。ここではメールドグラースの後塵を拝して2着に終わったものの、その約3カ月後に挑戦した下鴨S(1600万下)では、最後方から上がり最速となる32.8秒の末脚を繰り出して見事勝利。OP入りを果たした。
今回の阪神競馬場は、4走して[1.2.0.1]と得意にしているようだ。慣れ親しんだ舞台で、切れ味鋭い末脚を武器に上位進出を狙う。
同じ舞台で行なわれた鳴尾記念(G3)で2着だったブラックスピネルの半妹モーヴサファイア(牝5歳、栗東・池添学厩舎)。
早くから期待されていたものの、3歳時にアクシデント発生。ノドを手術することになり、長期に渡る戦線離脱を余儀なくされてしまう。復帰は昨年の5月の西海賞(1000万下)。ここを8着で終えるも、その後は1戦ごとに勝利と2着を繰り返し、6戦6連対でOP入り。2年以上ぶりに大舞台に駒を進めた。
今回は2走ぶりに川田将雅騎手が手綱を握る。ここで結果を残して、今後の活躍に繋げたいところだ。
これら以外にも善戦が続くクィーンズベスト、前走のパールSで約2年ぶりの勝利をあげたスカーレットカラー、苦戦が続くも最も軽い斤量49キロで挑戦するウスベニノキミらが虎視眈々と上位をうかがう。
今年、勝利の女神はどの馬に微笑むのだろうか? マーメイドSは9日15時35分の発走を予定している。

