JRA安田記念(G1)戸崎圭太アエロリット「あと少しだった」痛恨2着も評価上々!! 「"脱"引きこもり」から輝きを取り戻した天才の手腕

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 2日、東京競馬場で行われた安田記念(G1)は福永祐一騎手の完璧な騎乗もあり、4番人気のインディチャンプが優勝。現役最強馬アーモンドアイを破る大金星を上げた。

 一方、戸崎圭太騎手が騎乗したアエロリットは果敢に逃げを打ち、最後の直線でも粘りに粘ったが......最後の最後で力尽き、インディチャンプにクビ差及ばなかった。

「1年ぶりに乗りましたが、馬の雰囲気が良く、落ち着いていました。ペースもちょうど良く、頑張ってくれましたし、あと少しだったのですが......」

 抜群のダッシュで、好スタートを切ったグァンチャーレを抑え込むようにハナに立ったアエロリット。最初の600mを34.5秒のスローペースに抑え、完全にレースの主導権を掌握したまではよかったが......。

「惜しいレースでしたね。最後の直線でも、グァンチャーレと叩き合いに持ち込む最高のパターン。あれで負けたのだから、今回は勝ったインディチャンプと福永騎手を称える他ありません。戸崎騎手にとっては悔しいレースが続いていますが、騎乗はほとんど完璧だったと思いますよ」(競馬記者)

 戸崎騎手は先週に続き、これで2週連続G1・2着。

 特に先週の日本ダービーは、『競馬ラボ』で連載中の『週刊 戸崎圭太』で「今までとは違いますよ」と、これまで以上に強い意気込みを語って挑んだ一戦だった。だが、結果はロジャーバローズの2着。勝ち馬を最後まで追い詰めたが、クビ差及ばなかった。

「これで戸崎騎手は2年連続のダービー2着。それもどちらも接戦という、悔しいレースが続いています。ただその分、関係者やファンの間での"戸崎株"は大きく上がった印象です。

やはり騎手はG1のような大レースで目立ってナンボなのでしょう。3年連続でリーディングジョッキーを獲得していた頃よりも、今の方が好感度や信頼度は高い気がしますね」(同)

 確かに、この春の連続G1開催における戸崎騎手の活躍ぶりは目を見張るものがある。

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 大阪杯(G1)のエポカドーロ(8番人気)こそ、鼻出血によって10着に大敗するアクシデントに見舞われたが、皐月賞(G1)のダノンキングリー(3番人気)では大本命のサートゥルナーリアと接戦を演じる3着。

 続く天皇賞・春(G1)では、騎乗予定だったシャケトラが調教中に骨折し安楽死処分となる不幸があったが、急遽騎乗したグローリーヴェイズ(6番人気)で2着。逆境を跳ね返す奮闘ぶりは、多くの競馬ファンの心を打った。

 他にもヴィクトリアマイル(G1)で11番人気のクロコスミアで3着し波乱の立役者となるなど、この春の戸崎騎手は大舞台で随所に存在感を示している。

「リーディングに拘っていた頃は、騎乗馬の質が落ちる関西遠征を嫌ってG1も乗りに行かず、『引きこもり』『籠城』などと揶揄されていた戸崎騎手。ですが、連続リーディングが途絶えて"縛り"がなくなった最近は、大レースに積極的に参加して存在感を見せていますね。

もともと地方所属時代は、若くして全国リーディングを獲得するなど『天才』と称されていた騎手。この春の活躍は改めて、戸崎騎手の技術の高さを証明していると思います」(別の記者)

 惜しくも2着に敗れた先日の日本ダービーの後は、勝った浜中俊騎手に対して「初めてダービージョッキーになった訳ですからね。そこは、やっぱり祝福してあげたいですよね」と、握手を求めた戸崎騎手。

 ただ、「でも、今年は俺だったのになぁ......」と戸崎騎手らしい爽やかな祝福の裏側にも、やはり悔しさがあったようだ。

 そんな戸崎騎手はこの春、残された最後のG1・宝塚記念でグローリーヴェイズに騎乗予定。果たして、噛み殺し続ける"悔しさ"を爆発させる結果を呼び込めるか。「戸崎の春」が待ち遠しいファンは少なくないはずだ。