JRA日本ダービー(G1)クラージュゲリエ「65年ぶり偉業へ」三浦皇成にチャンスあり?

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 日本ダービー(G1、芝2400メートル)への出走を控えるクラージュゲリエ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)。高い素質を秘めていると評価されているが、それが大舞台で開花することはあるのだろうか?

 父キングカメハメハ、母ジュモー、母父タニノギムレット。さらに母母はトゥザヴィクトリーの全妹ビスクドールと、稀に見る良血として誕生したクラージュゲリエ。

 新馬戦は2着に2馬身差をつけて快勝するも、続く札幌2歳S(G3、芝1800メートル)ではニシノデイジー、ナイママを捉えることができず3着に終わっていた。

 だが3戦目の京都2歳S(芝2000メートル)。J.モレイラ騎手を背に道中6、7番手でレースを進めると、4角手前から進出開始。最後の直線で馬群を縫うように進み、ワールドプレミア、ミッキーブラックなど素質馬を相手に勝利を収めた。

 今年は共同通信杯(G3、芝1800メートル)から始動。武豊騎手とともに2歳王者アドマイヤマーズらに挑戦するも3着。勝ち馬のダノンキングリーには0.8秒差も離されるなど、力の差を見せつけられた形で終わっている。

 そして迎えた皐月賞(G1、芝2000メートル)。新たに横山典弘騎手とコンビを組んで迎えた1戦では、中団からしぶとく脚を伸ばして5着。前走の結果からか戦前は14馬人気と評価を落としていたが、掲示板に載り、日本ダービーへのキップをもぎ取ることにも成功した。

「皐月賞の下位人気は追い切りでの動きが悪かったのも影響していたのかもしれません。最終追いで3歳のアヴァターラ、6歳のフォイヤーヴェルクとの3頭併せで先着を許していましたからね。ですが、本番の皐月賞では5着と健闘し、ファンを驚かせていました。稽古駆けはしない本番に強いタイプなのかも」(競馬記者)

クラージュゲリエの画像2

 そのクラージュゲリエは1週前追い切りで、僚馬サトノルークス、アイスバブルと3頭併せ。アイスバブルには2馬身半先着したものの、サトノルークスには少し遅れ気味でゴールし、6ハロン82.8秒、ラスト11.8秒を記録している。

「池江調教師は『距離が延びるのもいい』と距離延長を歓迎していました。またこれまでは気性難を抱えていたようですが、前走の皐月賞で騎乗した横山典騎手も『乗りやすかった』と話すなど、徐々に改善傾向にあるようです。

 ですが、気になるのはやはり乗り替わり。これまで『乗り替わり』で日本ダービーを制したのはふたりしかいません。さらに今回は三浦皇成騎手がテン乗りで挑戦しますが、その場合は1度しかなく1954年のゴールデンウエーブまで遡ることになります。条件的にはちょっと厳しいといえます」(競馬誌ライター)

 三浦騎手は実に65年ぶりとなる偉業をクラージュゲリエと達成することができるのだろうか? 好走を期待したい。