26日に開催される日本ダービー(G1、芝2400メートル)に出走するエメラルファイト(牡3歳、美浦・相沢郁厩舎)。ここでなんとか結果を残して存在感を示したいところだ。
エメラルファイトは父クロフネ、母セトウチソーラー、母父スペシャルウィークという血統を持つ。生産したのは金成吉田牧場。今は夫婦ふたりで6頭の繁殖牝馬を繋養する金成吉田牧場だが、かつてはウオッカの母タニノシスターなども生産していた。
6月の新馬戦(芝1600メートル)を勝利したエメラルファイトは2戦目の札幌2歳S(G3、芝1800メートル)で4着と健闘すると、続くアイビーS(OP、芝1800メートル)で3着と馬券圏内の好走を見せる。そして暮れには朝日フューチュリティS(G1、芝1600メートル)に挑戦。後方から上り最速33.5秒の脚を見せるも6着とG1の壁に跳ね返されていた。
今年は白梅賞(芝1600メートル)から始動してウオッカ産駒のタニノミッションらを抑えて勝利。皐月賞トライアルのスプリングS(G2、芝1800メートル)に駒を進めた。
レースは、序盤から先行勢が激しい主導権争いを繰り広げ、エメラルファイトはそれを見る形で先団後方につけた。そして鞍上の石川裕紀人騎手の手で4角から外へ出されると、最後の直線でライバルたちと追い比べを開始。横一線の一進一退の攻防から、なんとか抜け出したエメラルファイトが優勝。混戦を制し、皐月賞(G1、芝2000メートル)への切符をゲットした。
「スプリングSは過去の勝ち馬にマイルCS覇者ステルヴィオ、QE2世Cを勝ったウインブライト、さらに最強と称されたキタサンブラックに3冠馬オルフェーヴルなどが名を連ねる出世レースとして知られています。
その1戦を制したこともあり、エメラルファイトには本番の皐月賞でも大きな期待がかけられていました。ところが、右前脚の捻挫をしたとして陣営が回避を発表。なんとも悔いの残る終わり方となりました」(競馬誌ライター)
挑戦権を得たものの出走が叶わなかったエメラルファイト。1週前追い切りでは主戦の石川騎手を背に南WCで、5F69.3秒、ラスト12.5秒を記録。相沢調教師は多少時計が遅くなったものの「脚元は問題ありません」と復調をアピールしていた。
「相沢調教師はここ10年で重賞を8勝、そのうち5勝を中山競馬場であげています。できることならば、日本ダービーではなく皐月賞に挑戦したかったというのが本音ではないでしょうか。またエメラルファイトスプリングSで競り勝ったファンタジストがその後、低迷していますからね。実力は未知数ですがちょっと厳しそうです。
鞍上の石川騎手は騎乗技術の高さが多くの関係者から認められています。そして彼を担当するエージェントは、ノーザンファーム系とつながりが深いことで知られるやり手。そのため昨年は飛躍が期待されていたのですが、故障の影響もあったのか、どうも伸び悩んでいる印象を覚えます。そろそろ改めて存在感を示してもらいたいところなのですが、人馬ともにあと一歩という感が強いですね」(競馬記者)
大手競馬ポータルサイト『netkeiba.com』の事前予想で、現在エメラルファイトは単勝133.1の14番人気と大穴扱いを受けている。だが、今年はNHKマイルC(G1、芝1600メートル)では14番人気だったケイデンスコールが2着に入り、ヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)でも11番人気のクロコスミアが3着。そしてオークス(G1、芝2400メートル)でも12番人気のカレンブーケドールが2着に入るなど今年の春のG1戦線は下位人気馬の台頭が著しいことで知られる。
この流れに乗ってエメラルファイトも馬券圏内に入り、人馬ともに存在感を示すかも!?

