日本ダービー(G1)サートゥルナーリア「代役」レーン騎手に日本競馬の洗礼!? 一抹の不安を抱かせる"豪州の若き天才"の「東京・芝2400m」成績

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 26日に東京競馬場で開催される日本ダービー(G1)。今年の「主役」は文句なしに無敗の皐月賞馬サートゥルナーリア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)だ。

 先週は無敗のオークス馬が誕生したが、こちらもここまで4戦4勝の無敗。それもG1・2勝という、この上ない成績だ。特に前走の皐月賞(G1)では、昨年のホープフルS(G1)以来のぶっつけ本番という型破りなローテーションで快勝だった。

 陣営は早くから「ダービー狙い」を公言しており、大手ポータルサイト『netkeiba.com』の事前予想でも単勝1.7倍の圧倒的な人気。2005年の三冠馬ディープインパクト以来、無敗の二冠馬が誕生することが濃厚とみられている。

 2歳のデビュー時から「特別な存在」として取り上げられてきたサートゥルナーリア。順調にサクセスストーリーを歩み、ダービーの結果次第で秋には凱旋門賞(仏G1)挑戦プランも。日本競馬を代表する歴史的名馬になるまで、あと一歩といえる存在だろう。

 しかし、そんな順風満帆のサートゥルナーリアにも、1つだけ大きなアクシデントがあった。主戦のC.ルメール騎手が騎乗停止となり、日本ダービーで騎乗できなくなったことだ。

 大舞台での"代役"を託されたのが「豪州の若き天才」D.レーン騎手。日本初参戦から、すぐに重賞を勝ち、先日のヴィクトリアマイル(G1)では、ルメール騎手が騎乗予定だったノームコアで日本G1初制覇。代役の重責を完璧にこなしていると述べても過言ではない。

 ここまで早くも15勝を上げ、勝率0.254は川田将雅騎手に続く第2位、3着以内率0.525も川田、ルメール騎手に続く第3位と、「天才」の名に恥じない超一流の結果を残しているレーン騎手。だからこそテン乗りの騎手が64年間勝てていないデータを吹き飛ばすように、これだけ圧倒的な支持を得ているのだ。

 しかし、そんなレーン騎手にも「死角」があるようだ。

「オーストラリアは1200mのレースが多いので、普段の倍走りますよ、と(笑)」


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『サンスポ』の単独インタビューに答えた角居勝彦調教師の何気ない一言。無論、師としてはユーモアのつもりだが、実はレーン騎手のこれまでの戦績を振り返ると、あながち冗談ではなくなるのかもしれない。

「ここまで重賞2勝を始めとした15勝。勝率0.254、3着以内率0.525という素晴らしい成績を叩き出しているレーン騎手ですが、日本ダービーの舞台となる『東京・芝2400m』に限ると、6回騎乗してわずか1勝。勝率0.167、3着以内率0.333までダウンします。

それも12番人気だった1頭を除けば、すべて上位人気。重箱の隅を突くようなことかもしれませんが、2000m以下のレースでは驚異的な成績を収めているだけに、少し気になるところではあります」(競馬記者)

 記者曰く、特に気になったのは、ここ最近のレーン騎手の東京・芝2400mのレースぶりだという。

 2番手から最後の直線で失速した先週のオークス(コントラチェック)は仕方ないにしても「日本独特のレース傾向」にしてやられたのが、1番人気のヘリファルテに騎乗しながら9頭中7着に大敗した11日の緑風S(1600万下)だったようだ。

「序盤からケンホファヴァルト、ネプチュナイト、タイセイトレイルの3頭が飛ばしていく超縦長の展開。離れた4番手に勝ったヴァントシルムがおり、レーン騎手のヘリファルテは後方集団の一角でした。

レースは結局、前の馬が1着から4着まで占める行った行ったの展開。縦長の割には1000m通過が60.4秒、1400m通過が84.5秒と、高速馬場としては決して速いペースではなく、勝ったヴァントシルムに4番手から34.2秒の脚を使われて万事休すというレースでした。

後方から最後の直線に懸けたヘリファルテでしたが、結果は7着。レース後、レーン騎手も日本特有の前が止まらない高速馬場に戸惑っている様子でしたね」(同)

 レース後、レーン騎手は「ペースが速い割に、前に行った馬が止まりませんでした。直線ではジリジリ伸びているが、差が詰まりませんでしたね」とコメント。日本特有の高速馬場の"洗礼"を受けた格好だ。

「先々週、先週とレコードが連発している東京競馬場は、今週からCコースが解放され、さらに内側と前に行く馬が有利になる傾向があります。皐月賞は中団から差し切ったサートゥルナーリアですが、ダービーであまり悠長に構えていると、足をすくわれる可能性がないとは言い切れません」(別の記者)

 2017年の日本ダービー。そんなダービー特有の"傾向"を読み切っていたルメール騎手は、道中後方にいたレイデオロで果敢に動き、早め先頭から自身初の日本ダービー制覇を手にした。

 あれから2年。「大役」を託された豪州の天才が見せるのは、サートゥルナーリアの力を信じ切った横綱相撲か、それとも......。