応用行動分析とか言っても、難しく考えなくて大丈夫です
長年認知症の方のお世話をさせていただきながら感じていたことは、多くの場合認知症の発症が確定した直後からその方の今までの権威はことごとく崩れ、家族の中でも最下層に位置ずけられ、することなすこと禁止され注文をつけられ、命令されるという劇的な環境変化は、認知症の人でなくても、逆上に値するのではないだろうかということです。
そして認知症に伴う問題行動の多くは、こうした環境変化により発生し、こじれていったものが多いのではないか思うのです。
行動分析は、行動と環境=刺激の関係を解明する分野です。ですから通常、問題行動に対してその行動を誘発させているであろう刺激を分析し、先行となる刺激と強化因子となる刺激を特定し、除去するか他の刺激に変えることによって、問題となる行動の頻度の減少や消去を図る、ということになります。これでも丹念に問題行動を減少させていけばかなりのところまでは可能です。でも、やはり当たり前すぎて、短絡的ですね。というより老人ホーム向きではないです。
それは、行動分析的アプローチは、細かい分析と作業、そしてデータ収集が必要だからです。現場の職員さんが細かいデーターを収集しながら、他のサービスも充足させなければならない状況では難しいです。
老人ホームでもできる、応用行動分析の実践
そこで老人ホームでも実践可能な、しかも非常に効果の期待できる方法をご紹介します。
まず、条件として、身体拘束ゼロであることです。それ以外の施設では、絶対に通用しません。
そしてしっかり申し合わせ事項にそって、取り組めるチームであることです。
この条件さえ揃っていればどんな施設でもポジティブに取り組めると思います。試してみてください。
コツは、発想の転換! 問題でなく、ちゃんとしてるとこに目を向けること
家庭でも、利用していた在宅施設などでも、あなたの施設にたどり着くまで、認知症の方には苦難の道があったはずです。否定と禁止と命令と叱責の連続の日々だった方もいるはずです。ですからこの4つの事項は介護側としては、ありえないという環境を作ることが、最初の申し合わせ事項になります。この4つは絶対やってはいけません。この申し合わせ事項がクリアー出来れば、50%成功したも同じこと。
こういう介護チームは非常に優秀なチームです。賞賛に値します。ですから園長先生はできるだけ多くミーティングの時間に、こうしたチームに声かけをするのです。「良いチームに成長して私は嬉しい。今日は1日君らの接遇の中で、否定も禁止も命令も叱責もなかった。認知症の方もどれだけ心安らかに過ごせたことか。彼らに変わって礼を言う。ありがとう。」とかいってあげてください。
次に目指すは、「うまくいったよ。みんな真似してみてね!」情報の集積
いくら認知症の方で、問題行動を抱えていても、24時間、問題行動を休みなく連発している方はいません。見たことありません。どんな方でも落ち着いて座っていたり、たとえ5分でも活動に参加したり、なぜか抵抗なく入浴してくれたり、みょうに話が通ったり、色々問題ない部分もあるのです。その部分を広げていきましょう。落ち着いていられる時間を延ばしたり、抵抗なくできる回数を増やしたりということです。そしてそのための情報を介護者が発表する時間を作り、ポジティブな情報を大小に関わらず、毎日収集します。例えば、入浴こんな風にやったら抵抗なく受け入れてくれたとか、こんな声かけをしたら着替えに応じてくれたとか、こんなテレビ番組を真剣に見てたとか、レクレーション声かけ5分に1回ぐらい心がけたら、結局最後まで参加してくれた、とかの情報を毎日数日間集めましょう。
園長先生はそんな前向きなチームにはやはりミーティングでしっかり声かけしてあげましょう。お一人お一人の目を見ながらこんな風に
「君たちの成長は、素晴らしいね。人の良いところを伸ばしていくなんて君たちにしかできない発想だよ。もう一息だから頑張ろうね。」
仕上げは、「◯◯さんの言うとおりやったら、やっぱりうまくいったよ!みんなも真似しよう」情報の収集
ここまで来れば8割がた成功です。でも最後の仕上げは重要です。みんなで持ち寄った情報を検証する作業にかかります。有力な情報を選び、みんなで徹底し、結果を持ち寄ります。チーム全体で再現可能な正反応が生起しやすい環境を申し合わせ、徹底していく。これが介護現場での応用行動分析的アプローチです。
ポイントは発想の転換です。ww
ここまできたら園長先生は、ご自分の介護チームに対し、やはりお一人お一人の目を見て言ってあげてください。
「ここまでよく頑張りました。自分たちで持ち寄った情報をより正確に改良しながら、皆で情報を共有できるチームは最強です。全ての利用者さんに対しても同じようにできるように、これからも少しずつ毎日頑張っていきましょう。」
念のため落としておきます。なんの応用行動分析的アプローチでしたっけ?ww
投稿 老人ホームの応用行動分析的アプローチ 認知症に共なう問題行動 は 近未来福祉研究所BLOG:特別養護老人ホームやデイサービスセンターの経営者向け情報 に最初に表示されました。